心の傷

ストレスに負けない「心」を持てますか?

2008年07月30日

ストレス学説の歴史はわずか70年

杉晴夫『ストレスとはなんだろう : 医学を革新した「ストレス学説」はいかにして誕生したか』(ブルーバックス/861円) そもそもストレスってやつは何なのか? その正体を知りたいと思うなら、『ストレスとはなんだろう』を読んでみよう。

 ストレスという概念は、ウィーン生まれの生化学・内分泌学者ハンス・セリエが1936年に「ネイチャー」誌に発表した論文に端を発し、その後、西洋医学の流れを大きく変えていった。この本は、西洋医学史を語る上でいまや欠かすことのできないこのストレス学説の誕生までを、さまざまな生化学者たちの織り成す人間ドラマとして描いた。

 ストレス学説がどれほど画期的なものであったか、そしてまた、セリエがどれほどすごい天才であったかがよくよく分かったところで、自律神経系の働きが解説される。ここで、ストレスに対するカラダの精密な反応を知ると、自分が生まれもって備えているはずの力を信じてもいいのではないかという気持ちになり、少し心強い。最終章では、生理学的見地からみて「ストレス解消」とはどういう状態を指すのかが語られている。

うつ病の人に「がんばれ」は禁物。本当か?

中嶋聡『「心の傷」は言ったもん勝ち』(新潮新書/714円)(画像クリックで拡大)
 これで敵(=ストレス)のことはよく分かった。しかし本を読んで敵を知ったからといって、そんなに簡単に世の憂(う)さに打ち勝って、素晴らしい人生が明るく開けるものでもない。人間には「心」という厄介なものがもれなく付いているからである。『「心の傷」は言ったもん勝ち』は、人の心の厄介さがよく分かる本だ。

「心の傷」といえばPTSD(外傷後ストレス障害)がすぐ思い浮かぶが、ここには、うつ病やパニック障害、朝青龍問題で一躍有名になった解離性障害などの例も豊富に挙げられている。精神科クリニックの現役医師が執筆しただけに、心の病を訴える最近の患者たちの傾向が活写されており、中にはやはり、医師から見ても病に逃避しているようにしか思えないケースもあるのだということが分かる。

 例えば、同僚がうつ病の診断書を提出して長期の休みをとり、なかなか復帰できずにいるのを、内心苦々しく思っている人も少なくはないだろう。そんな人にとっては、膝を打つような症例がここにはいくつか出てくる。そして、そうした症例への対応について著者の考えもはっきりと書かれている。うつ病と診断された人に対して「がんばれ」と励ましてはいけない、とはよく言われることだが、著者は、本当にそれで正しいのだろうか? と疑問を投げかけているのだ。訴えをよく聴き、患者の苦しみを正面から受け止める覚悟があるなら、そのようにマニュアル化した対応にはならないのではないか、と。

 心の病に苦しむ人に鞭打つかのような挑発的なタイトルだが、真意は、心の弱さが苦しみを招いているのなら、心を鍛える必要もあるのではないかという問題提起にあるのだ。

まだこの本を読んでいませんので内容についてのコメントはしにくいのですが、ここで述べていることは、珍しく核心に触れていると思います。
うつ病って、外的要因と、内的要因(心の持ちよう)の融合したものと私個人は考えています。
つまり、外的要因は、患者個人では解決できないもの、他者の協力が無ければ無理な部分が出てきます。
それに固執しても、問題解決に至らないのではないか?
それよりも、内的要因を解決すること。
自分の弱さをきちんと理解し、その弱い部分を前面に出さないことが重要でしょう。弱い部分への攻撃をかわすという発想が必要ではないでしょうか。
この件に関しては、今後も必要に応じて解説していきます。
タグ:うつ病
posted by かつくん at 06:49 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(1) | 日記
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法政大学出版局「現代社会とストレス」ハンス・セリエ著
Excerpt: 大会議室の光市母子殺害事件差し戻し審に死刑判決スレッドで度々出て来るセリエ博士のストレス学説。 御本人が一般の人(及び専門家ではない臨床医)を対象とした自説の解説書があります。 それが本書「現代社会と..
Weblog: ファブログ
Tracked: 2008-09-27 13:19
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